会社のロゴをつくってみたが、商標登録はしなければいけない?

会社のイメージアップ、知名度向上のために会社のロゴを作ってみたものの、そのあと何が必要なのか全く知らない。

商標登録をしたほうがいいらしいがよく分からない。この記事では、そういった悩みに対し、これからすべきことの参考になる知識やアドバイスを紹介します。ロゴを使用していくうえで最低限必要な考え方を学んでいってください。

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そもそも商標登録って?

商標とは、自分の商品やサービスと他人の商品やサービスを区別ために事業者が使用するマークのことを言います。商標を自分のものだと公式に登録するのが商標登録です。商標が存在することで、一般の消費者たちは、その商品の詳細な説明や表示をわざわざ確かめなくても、どこの会社が出しているどんな商品なのかを一目で見分けることができます。

つまり、消費者たちは無意識のうちに商標を見て、商品やサービスを判断しているのです。

どのくらいの数の商標登録がされているの?

現在日本では、2018年に年間18万件以上の新規出願が行われ、実際に11万件以上が登録されています。新規出願の件数は2009年以降、常に10万件を超えており、多くの事業者が積極的に商標登録を行っているということが分かります。

ロゴを商標登録するメリットは?

ロゴの商標登録におけるメリットは主に三つあります。一つ目は自社のロゴに似たものを他人が使用するのを防ぐことができることです。ロゴには、そのものに著作権が発生している場合とそうでない場合があります。美的な独創性などが認められる場合、著作権も認められる可能性が高いですが、絶対とは言えません。

しかし、商標登録がなされていれば著作権が認められない場合でも、他人が紛らわしいロゴを使うのを止めることができます。二つ目は誰かに商標登録されてしまうのを防ぐことができることです。どれだけ頑張って良いロゴを考えても、他人が先にそのデザインを商標登録してしまえば、自分はそのロゴを使うことができなくなってしまいます。

商標登録は先に「使い始めた」方ではなく、先に「出願した」方に権利が与えられるので、素早く商標登録を行う必要があります。三つ目は自社ブランドを確立するためです。ロゴは多くの人の目に留まるものであり、それが企業のイメージに直結します。

それが、他人に使われたりしていれば信用を落とすことになりかねません。商標登録していれば、ロゴを自社のイメージとして安心して使用することができます。

ロゴをデザイナーに発注していた場合は?

せっかくなら素敵なデザインのロゴにしようと考えて、デザイナーにロゴ製作を依頼した人も多いと思います。しかし、デザイナーに頼んでロゴを作る際には、必ず著作権について知っておかなければいけません。基本的に著作権は著作者に認められる権利であり、ロゴの場合、著作権はデザイナーにあります。

ロゴ製作を依頼する際には、デザイナーに商標登録希望であると事前に伝え、ロゴを好きなように使いたい場合は著作権の譲渡も受けておく必要があります。

どんなロゴはダメなのか

商標登録の際に、重要となるのはすでに商標登録された他人のロゴと区別するのに必要か否かです。まず、商品やサービスの普通名称、産地、販売している場所、品質、特徴だけを表すにすぎないようなロゴは、他人の商品やサービスと区別するのに役立つという商標の本質的な機能を果たさないので、登録することはできませんそこでは、呼び方、見た目、意味合いの三点を総合的に判断します。

つまり、似たようなロゴだとしても、例えば、飲食業と工業のように、使う事業者が全く関連のないサービスや商品に使うのは大丈夫ですが、近しい事業の場合は紛らわしいと判断され登録はできません。

出願の仕方は?

商標権は早く出願した人が優先されます。ロゴができたらすぐに出願しましょう。まず、必要なのは商標の事前調査です。出願する前や、使用する前には類似の商標が登録・出願されていないかあらかじめ調査をすることが大切です。

実際の審査は半年から1年ほどかけて、出願順に行われるので、誤って、類似している商標を出願した場合、かなりの時間の無駄となってしまいます。また、他人のロゴに似たものを勝手に使用した場合、商標権の侵害となってしまう場合もあります。

最近は、自力で商標を検索することも可能ですが、専門家に依頼することもできます。次は、願書を作成し出願します。出願方法は、インターネットでオンラインで出願する方法、紙に書いて特許庁の窓口に持っていく方法、紙を特許庁に郵送する方法があります。

このなかで容易な方法を選んで出願しましょう。

商標登録にかかる費用は?

ロゴを商標登録しようと思えば、一般的には、出願料、登録料、加えて調査を専門家に依頼しようとすれば調査料、紙で出願の手続きを行った場合は電子化手数料がかかります。まず、調査、出願のための書類作成、これらをすべて自分で行い、区分数も最小の場合、3万円程度で済ませることができます。

区分とは、商標登録におけるカテゴリのことで、45の区分の中から自分の商品やサービスに関連するものを1から3つほど選びます。どのサービスや商品がどの区分に属するのかを判断するのは大変困難です。高い正確性と膨大な知識量が求められる作業をすべて自分で済ませるのには膨大な時間がかかるでしょう。

商標登録について自信がない人は、専門家に依頼したり、オンラインサービスを利用することを考えてもいいでしょう。

商標登録後、誰かにロゴを真似されたら?

商標登録は完了しました。しかし、商標登録をしても誰かに真似されることがないわけではありません。特許庁に取り締まりを行う権限はないため、そういった類似ロゴを使用する業者を見つけたら、自ら訴訟を起こす必要があります。

商標登録が完了していれば、裁判所に使用差止請求等の訴訟を起こすことができるのですぐに対応しましょう。また、類似品を扱う業者に対しては、訴訟を起こすのではなく、商標権の侵害を理由に使用の中止を求める書面を送ることで、相手に使用の中止を促すことも可能となっています。

せっかく作ったロゴを守るには商標登録が大切です。

どれだけ、熱意をもって素敵なロゴを作れても、誰かに真似をされたり、先に商標登録をされてしまえば意味がありません。自社のイメージとして継続的にロゴを使用していこうと考えるならば商標登録は必須です。出願、登録には難しい部分も多くありますが、商標登録をして得られるメリットは大きいです。

一時の苦労を惜しまず商標登録をしてロゴを守りましょう。