肥満やメタボリックシンドロームを気にかける人が多くなってきましたが、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病への意識も徐々に高まりつつあります。生活習慣が原因となって発症すると言われているこういった疾患では、感染症治療などとは違って薬物治療が根本的な治療にはなりません。薬物治療の目的はこれらの疾患が原因となって生じる動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの疾患の予防が主なものです。そのため、根本治療を実現するためには、並行して行われる食事療法や運動療法に積極的に取り組むことが大切になります。薬を飲めばよいという治療とは異なり、食事や運動を通して生活習慣を改善していくということが必要とされるのが生活習慣病治療の特徴です。医師はアドバイスを与えることはできますが、治療が実現されるかどうかは個人がどれだけ積極的に治療に取り組むかということの比重が大きくなります。個人の努力の比重が高いというのが生活習慣病治療や予防における特徴であり、予防医療に力を入れている医療機関では、個人の努力を促すようさまざまな取り組みを行っています。治療を行う際には医師の指導を参考にして取り組んでいくことができるでしょう。
健康において一番肝心なのは、弱った身体が回復し終わった後です。そこから元通りの生活に戻るか戻らないかで今後の人生が決まってくるのです。医療といえば直接的な治療を真っ先に想像しますが、健康指導のあり方の方がなによりも影響を与えるのです。患者さんの様子をみて「こうしてください」とサポートする役目を担っているのが看護師という仕事。病院というと医師がメインのように感じてしまいますが、彼女たちの存在が人々の生活に与える影響はとても大きいのです。看護師の人材不足が深刻化していますが、今後の未来を考えるとそれは国全体にとっても大損することだと思います。一刻も早く人が集まりやすい労働環境を整えることが求められています。高齢化社会の現状をみても、予防医療の看護師の求人はどんどん増えていくのではないかと感じています。